「英語は難しい」の思い込みを払拭すれば大人の脳は英語上達が早い
中学高校の英語教育や、効果の低い英語教材が原因で、「英語は難しい」「習得するのは大変だ」と思い込んでいる日本人は多い。
子供の頃に苦手意識が付いたものや、難しいと思い込んだものは、大人になっても「難しい」という意識が行動を妨げ、可能性を狭める。
誰でも子供の頃に難しいと感じたものが、大人になって簡単なことだと気づいた経験はあるだろう。
本当は「難しい」「大変」は思い込みでしかない。
その思い込みの原因は、「脳の未完成」と「教材」にある。
人間は子供から大人へ少しずつ成長し、身体は20歳で完成する。脳は25歳でほぼ完成する。
だから、25歳より前にやって難しいと感じた事は、ただ単に脳が未完成だったことが原因であることが多い。
中学や高校の頃に英語が難しいと思ったのなら、それは脳が完成していなかったことが原因かもしれない。
若い時に難しいと思っても、大人になれば難しくないと思えるはずなのだが、それを邪魔する「感情」がある。
若い時の「難しい」という思い込みは「嫌い」に近い感情的な記憶のため、大人になってもその思い込みは払拭しにくい。
中学高校で6年間も英語の読み書きばかりさせられて話せるようにならず、「英語は難しい。」「文法は嫌い。」などネガティブな感情を持ってしまった人は多い。
中高生の「難しすぎる」「嫌い」「面白くない」という感情の度合いは大人より極度に大きい。それは脳の成長過程に原因がある。
若い時の脳は偏桃体での神経細胞のつながりが増えるため、細胞の興奮で生まれた感情が広範囲に広がり、感情が増幅される。
しかし、感情や衝動を抑制するはずの前頭前野は25歳以降から働きが活発になる。
要するに、25歳までは、ただでさえ感情的になりやすい脳にもかかわらず、その感情を制御することも出来ないということ。
子供が泣いたりわめいたり、思春期には感情を爆発させたりするのは脳が未完成だからに過ぎない。
アメリカ下院の刑事司法報告書によると、
「18~25歳までの若年成人は、脳がまだ発達途上にあるため、通常の犯罪者とは異なる対応が必要である。犯罪に関与したことがあるほとんどの若者は、25歳までには足を洗っている。」とある。
それくらい脳が大きく変化する25歳までは感情の振れ幅が大きく、嫌いなものは大っ嫌い、好きなものは大好きになりやすい。
そんな時期に、中学高校の6年間もかけて英語に対するネガティブな感情的記憶を蓄積し、後々まで引きずっている日本人は実に多い。
他にも原因はある。冠詞・現在完了進行形など、大人でさえも意味の解りにくい日本語が、子供により一層「英語は難しい」という脳への植え付けを促進している。
しかも、冠詞や現在完了進行形は日本語の文法に無いから余計に理解が難しい。
大人になっても文法の教材を読むのを嫌がる日本人が多いのも無理はない。
中学高校は英語の読み書きが中心で、スピーキングのトレーニングは行われていない。
だから、学校で英語を何年も勉強したって喋れないのは当然。
それを知らずに、英語は頑張って勉強したって喋れないという「思い込み」が脳に植えつけられてしまっている。
スピーキングのトレーニングとは、単にスピーキングする(喋る)ことではない。
サンドイッチ英会話教材で行なっているような、一瞬で文章を組み立てて発音するトレーニングのことである。